リフォームを成功させるには、業者の見極めが大事です。しかし、「いざ頼もう」と思うと、どの業者に頼めばいいのか、迷ってしまいます。最終的には「安心できる業者」ということになるのでしょうが、それを見極めるには判断材料があまりに少ないのが実情です。そんな悩みを抱えている方に、失敗しない、後悔しないリフォーム業者選びのコツをアドバイスします。 |

リフォームを考える時、かなり重要になってくるのが業者の選定。
そこで今回は、業暦の長さや得意工事の有無などの面から、「安心できる業者」を見極めるポイントを教えます。
|
 |
先日、お客様が「この会社は、何年この仕事をやっているの?」と聞かれました。お客様の真意は「業暦が長いと安心。短いと心配」ということなのでしょうか。
確かに「会社を立ち上げてすぐ」というのは不安でしょう。まだ経験も浅いし、リフォームのようにほとんどがオーダーのような仕事は、経験がものをいうところは確かにありますので、経験豊富というのはやはり安心です。
そういう業者は別にしても、はたして業暦が長いということは本当に安心なのでしょうか。先ほどのお客様も「私の友達は工務店を30年もやっているのよ」と言われるので、「ではそちらに頼まれるのですか?」と聞くと、「いや、去年やめちゃったから…」とおっしゃっていました。
最近の信用調査会社のレポートを見ていますと、広島でも建築関係会社の倒産が毎回のように出ています。その中で、一番倒産の多い業暦年数はいったい何年だと思いますか?
実は、30年以上なのです。「一企業30年説」というものがあります。人間にも寿命があるように、企業にも寿命があるといわれ、その寿命が大体30年というものです。
もちろん、30年続かない企業が圧倒的に多く、5年続く会社は半分未満とか、10年続く会社は5%未満といわれる中、30年続くことはそれだけで大変素晴らしいことです。
しかし、30年というのは次の代への変わり目であり、そこがスムーズに行かない会社が実は多くあるのです。2代目へのバトンタッチがうまくいかなかったり、職人の高齢化など表に出てこない問題などもあります。
また、時流はどんどん変化しているのに、いまだに旧態依然とした考えでなかなか時代の変化に追いつけず、現在のような急激な変化の時代に業績が急に悪化してくるケースもあります。ズバリ言えば、お客様の変化についていけていないのです。
一概に何年目がいいとは言えませんが、やはり一人前と呼べるには、リフォーム業に従事して最低3年以上の経験がある会社が良いでしょう。
もちろん、業暦が長くても時代の変化にしっかりと対応されている素晴らしい会社もあります。単に「業暦が長いから安心。短いから不安」とは思い込まないほうが良いかもしれませんね。
|
|
 |
リフォームと一口に言っても、水漏れの補修から器具の取替、全面改装までさまざまです。金額でいえば数千円から一千万円超まで。建物も、木造もあれば軽量鉄骨、マンション、店舗までさまざまあります。実際は、これらのすべてを扱っている建築屋さんが多いのです。
それは、建築業界はアウトソーシングの部分が多く、自社にノウハウがなくても外注でどうにかしようと思えばどうにかなる部分があります。外壁や屋根を主にやっていた会社がお風呂のリフォームを受注してもどうにかできますし、内装の専門店にマンションの水廻りリフォームの仕事が来てもなんとか受けることができるのは、横のつながりがあるからです。
しかし、「できる」ということと「満足してもらう」ということは違います。
水廻り全面改装の場合、必要なのは提案と施工の知識です。お客様の思いに沿った最適な商品の選択と、それに必要な施工知識。特に配管周りは見えない部分であり、先々安心できる工事が必要です。
似たようなケースで、普段は木造ばかり扱っている工務店がマンションリフォームを行うと出てくるトラブルもあります。大工工事などの段取りはいいのですが、マンション特有の問題、それは管理組合、音、埃、駐車場、ゴミなど直接工事に関わっていないような問題が多いからです。それらに慣れているかどうかが重要です。しかし、「マンション? あー、できますよ」と言っている会社が多いのが現状です。
「モチはモチ屋」という言葉がありますが、やはりそれぞれに得意工事があり、今考えている工事がその得意分野に入っている業者なら相談してみる価値はあります。
「お宅は何が得意なのですか?」と聞いてみましょう。その時に「全部です」と答える業者は気をつけたほうがいいかもしれません。「全部」ほどあいまいなものはありませんから。 |
|
|
|