リフォームを前提に購入した築37年の中古住宅。バイク好きのご主人と、インテリアに深いこだわりをもつ奥さまの要望は、極力ドアや壁のない開放的な家。そうして完成した空間を、奥さまが主体となって考案した内装やインテリアで グッと洗練されたものへと近づけていった。 スタイリッシュな家づくりのお手本ともいえそうなこの実例を見てみよう。 社宅で生活していたMさん一家がこの中古物件に出会ったのは2009年の1月。「大型犬が飼いたい」という長年の夢もあり、「そろそろマイホームを持ちたい」という意欲はあったが、当初から新築を購入するつもりはなく、中古住宅をリフォームしたいと考えていた。ちょうど奥さまの友人がマエダハウジングに勤めていたこともあって、少しずつ相談をしていたところ、この物件に巡り会って購入。全面改装をめざし、本格的にプランニングに入ることとなった。 ご主人はバイクが趣味。息子さん用も含めて複数台所有するバイクを収容したり、レインコートをスムーズに脱ぐための土間部分を確保したいということが一番の要望だった。一方の奥さまは、「機能性の追求よりも、はっきり言って見た目重視(笑)」と、インテリアや内装にこだわり抜いた空間づくりを徹底。家具やインテリア小物など一つ一つの大きさや、色のバランスなどを吟味して、理想の家づくりを進めていった。 リフォームにおいて、夫婦に共通した要望は、できるだけドアや壁などをなくし、広く感じる家にしたかったこと。その思いが最も表れているのが広々としたLDKだ。ほとんどを奥さまが塗り上げた白い漆喰壁が明るさと開放感を創出し、中央に2階へと続く階段と柱がある以外、視界を遮るものはない。職人並みの美しさに仕上げられた漆喰壁はニオイの吸収と息子さんのアトピーに配慮したもので、実は機能性もしっかり考えた家づくりになっている。 そして、奥さまのセンスはこのLDKからいかんなく発揮。もともと温もりある北欧モダンな雰囲気のインテリアが好みだったというが、プランナーと話し合っていくうちに、光沢感やシャープ感のあるものを好むという一面を発見できたことは、奥さまにとって意外だったそう。ステンレス製のアイランドキッチンや、黒い光沢感を放つキャビネットがコーディネートされているLDKには、そんな新たな発見が活かされているようだ。 家具は、もともと持っていたものに加え、この空間に合ったイメージのアイテムを求めて、神戸のIKEAポートアイランドまでレンタカーで買い出しに。土間とキッチンのキャビネットやスタンドライトなど、大型家具を購入した。さらに広島でも、ACTUSでアームチェア、unicoでガラステーブル、マリーナホップでアンティーク風チェストなど、この空間にふさわしいアイテムを一つ一つ買い足していった。インテリアに興味があり、「こんな部屋にしたいな」と思いを巡らせることが好きな奥さまの本領が発揮された素敵な空間がそこにある。 非日常空間の水まわり、 息子さん思いの2階部屋、 考え抜いた末の理想空間奥さまのこだわりはまだまだ終わらない。「非日常感を出したかった」という浴室とトイレはモノトーンでまとめ、トイレにドアを付けず脱衣所と一体化しているのがユニーク。そして、寝室と子ども部屋のある2階は、明るいベージュの床で統一し、あえて1階と雰囲気を変えた。大胆な配色とデザインの壁紙や照明が目を引く子ども部屋では、息子さんがのびのびと遊び、隣の寝室ではもともとあった障子を活かすことで、和と洋のミックスを楽しんでいる。 こうして、Mさん一家は愛犬2匹とともに念願のマイホーム生活を満喫中。のんびりと寝転がったり、じゃれ合ったりしている2頭も満足げな様子。このインテリアセンス、ぜひ見習いたい。 |
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
|
施工事例